真夜中の逃走劇

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「修三…どこにおるんや…」 鴉紋は辺りをさ迷い歩いた。 しかし、いくら呼んでも修三からの返事はなかった。 「修三…!!」 鴉紋はそれでも、修三を必死に探し回った。 すると、背後から獣のうなり声が聞こえてきた。 それを聞くと、鴉紋は嫌そうな顔をしながら振り向いた。 「何でこないな時に…」 鴉紋の視界には、普通の熊よりも若干大きいくらいの熊が1頭いた。 熊の目的が鴉紋の肉であることは明らかであった。 「しゃあない…相手になるしかないわ…」 凍傷で今にも垂れ下がりそうな腕を無理矢理動かし、鴉紋は構えた。
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