真夜中の逃走劇

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熊は、攻撃が外れたと分かると、今度は鴉紋に突進してきた。 鴉紋は熊の口を手で掴み、押し返そうとした。 しかし、当然のように、鴉紋がドンドン押されていった。 「ぐぅぅぅぅぅ!!」 鴉紋は自分を押してくる熊の力を利用し、熊の顔を地面に叩き付けた。 熊にダメージはあったようで、うなっていた。しかし、すぐに起き上がった。 「いくら本調子でないとはいえ…しぶといわ…」 鴉紋の体もそろそろ限界を迎えていた。 辺りも吹雪いてきて、雪が舞い上がり、視界も悪くなってきた。 熊はそれを利用し、どこかに隠れた。 「吹雪を利用して隠れおったか…!!」 冴田一族は暗殺一族であったため、本調子なら熊を見つけることは容易かった。
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