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「ここか。ここは、山の麓にある小さな村だ。少し山奥に行き、狩りをすることで俺達は食っている。ここじゃまともな食物も作れんのでな」
男は鍋料理を食べながら言った。鴉紋は自分の取り皿に料理を取って、一口食べた。
「今お前が食べているやつも、その狩りでとれた獲物を使っている。山の幸に感謝して食べるんだな」
「…お、おぅ…」
唐突な話に、鴉紋は少し驚いたが、すぐに理解した。
「こんな辺鄙な村に、余所者が来るなど、何年ぶりだろうか…」
「そりゃ、こないな村やったらな…」
鴉紋はさらに取り皿に料理を取った。
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