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「荒間はん…おおきに」
「礼はいい…お前はここでじっとしてろ。服は俺の古着でいいなら、そこにあるから、適当に着ておけ」
そう言うと、荒間は部屋の隅にある箱を指差した。
「そや、も1つ聞きたいことがあったわ」
「…何だ?」
荒間は顔色一つ変えなかった。鴉紋は躊躇うことなく聞いた。
「俺の近くに、修三…あ、いや、もう1人、俺より一回り小さい男がおらんかったか?」
「…俺が発見したのは、お前1人だ」
鴉紋は荒間の言葉を聞き、立ち上がった。
「探しに行かな…!!」
「やめろ。雪山を甘く見るな。その修三という男は、俺が探しておく。お前はここで養生してろ」
荒間はそう言うと、家を出た。
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