麓の村

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鴉紋は荒間を見送ると、部屋の隅にある箱をあさくった。 そして、自分のサイズに合いそうな服を探した。 そして、1着のコートを取り出した。 かなりの大きさがあり、大柄な鴉紋でも着ることはできた。 トップス、ボトムスを一通り着てみると、囚人服とはまるで違い、暖かかった。 「…とにかく、じっとしとれん…状況を確認せな…!」 鴉紋は家を出た。 辺りを見回すと、家は数えられるほどしかなく、町につながっていると思われる道は、雪で埋まっていた。 「…どのみち、ここで缶詰状態か…まぁ、テレビとかがないようやから、それは幸いやわ…脱獄はニュースになってるやろし」 鴉紋は呟くと、少し歩いた。
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