プロローグ

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 漆黒の剣士の弾かれた剣が黒く光る。片手剣スキル――リカブルスラッシュだ。  黒く煌めく剣が薙ぎ払いで俺に襲い掛かる。横なぎに振られた剣は俺の体を真っ二つにする勢いだ。  しかし俺は剣を大理石の床に深々と突き立てて体勢を立て直し、敵の剣の範囲外へと後退する。  まだ相手のスキルが終わらぬうちに、スキルを発動する。右手が稲妻を帯びる。上級遠距離魔法――ライトニングホーリーだ。  右手を前にかざす。すると、右手からいくつもの稲妻を帯びた光の矢が発生する。光の矢は曲線を描きながらも高速で漆黒の剣士へと迫る。  貫け! と祈りつつ、俺は自分のライフと漆黒の剣士のライフを確認する。俺のライフは21000。おそらく漆黒の剣士ならば、一撃ですべてかっさらっていくだろう。一方、漆黒の剣士のライフは51000。俺が一撃で削り取るのは不可能だ。
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