プロローグ

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 スキル硬直で指一本さえ動かせない漆黒の剣士の体を、光の矢が突き抜ける。その瞬間、漆黒の剣士のライフが、32000まで減少する。  回復薬はとっくに尽きている。マジックポイントは底をつきそうだ。おそらく高位系スキル・魔法のどちらかを一つ使えば、スッカラカンだろう。  漆黒の剣士とのにらみ合いが続く。俺は悟っていた。次の攻撃で決まる、と――。  俺の剣を握る指がほんの少しだけ動いた。その瞬間、漆黒の剣士が猛然と走り出した。俺はそれとほぼ同時に、大理石の床を砕く勢いで走り出した。  漆黒の剣士との距離はすさまじい速さで縮まっていく。そして、俺と漆黒の剣士は最後の攻撃を仕掛ける。  剣が金色に輝く。俺の会得している中で一番の威力と速さを持つ、高位片手剣スキル――ソニックブリンガーだ。
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