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「じゃあ、座りなさい。夜だからお湯も沸かしてないしお茶も出ないけどね」
「別にいいさ。」
笑いながら霊夢は腰を下ろした。
男は向かい側に腰を下ろす。
「そ、じゃあ、貴方の質問に答えるとしますかね。おっと、その前に私からこの世界について説明させてもらうわ」
そういって質問をしようと男は口を開きかけたが霊夢がそれを区切ると説明を始めた。
「ここは、幻想郷。妖怪と人間が共存する世界。貴方がいた世界はこの世界の外側。私達はその世界を外界と呼び、そして外から来た人たちを外来人と呼んでいるわ。そしてさっき妖怪と人間が共存するといったけど、基本的に妖怪は人間を食料として認識しているわ。だけど、人間の中にも強いのがいて。妖怪を暇なときとかに駆逐しているの。そうして各勢力のバランスをとっているのよ。
そして、さっき貴方を襲っていた妖怪を倒した技だけど、それはスペルカードと言うわ。私の場合はこのお札。力をこめておいて。後で技名を叫んで使うとあのとおり技が出るの。」そう言って霊夢は口をつぐんだ。
それを聞いた男はしばらく、黙り込んだ。そして
「僕は元の世界にもどれないのでしょうか?」
「そうね……」霊夢は手を顎にあて考え込む「そうね。分からないわ。今までこういうことも少ないしね。過去に何回か外来人が迷い込んできた事があったようだけど、みんな妖怪に食われるか、少ないけどここに居ついているようね」
「そうなんですか」
男は俯き、拳をにぎり悔しそうな顔をする。
それを見た霊夢が声を発する。
男は霊夢の顔を見た。
「そうね。ここからしばらく言った所に紅魔館という館があるわ。そこの主は他人の運命を見る能力を持ってるの。そこで貴方の運命を見てもらったらどうかしら? もしかしたら、もしかするかもしれないし……。まぁ、気難しい連中だけれど、存外助けになってくれると思うわ。」
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