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博麗神社を旅立って2週間ほど。
ここ、幻想郷に迷い込んだ男は紅魔館の門番である美鈴を相手にしていた。
「おや? 普通の人間がどういったご用件でこの悪魔の館まで?」
美鈴のこの挨拶はいたって普通なのだが、後ろにある巨大な所々が赤色の館をバックにするとそこはかとなく不気味さを感じさせられる。
対して男は、相手の実力をしらないのか。はたまた精神が図太いのかスリットの深いチャイナドレスを着ている美鈴を前にして視線をあちらこちらに動かしていた。
「ここの主は【運命を操る程度の能力】を持っていると聞きました。そこで僕の運命を見て欲しいのです」
男がそう言うと美鈴は目を若干細めた。
「ふむ、なにやら事情がありそうですね」
「あぁ、実は。僕はここの世界の住人じゃありません。僕がこの世界に来てはじめてあった博麗霊夢という人は僕のことを外来人とよんでいました」
男がそう言うと美鈴は驚いた顔をした。
「へぇ。あなた外来人なんですか。私初めて見ました。」
「そこで、僕は霊夢に元の世界に戻りたいと申し出たら、ここの主を紹介されました。元の世界に戻れるかどうか見てもらったらどうかと……」
美鈴は手を顎に当てて考え込む。
「うーむ。なるほどなるほど。そちらも事情が事情ですしちょっとお嬢様に聞いてこようと思います。すこしここで待っていてください」
美鈴はそう言って門を開け中へと入っていこうとした。
その時だった。
「待ちなさい美鈴」
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