この歌声を君に。

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彼女…三並さんといると自然と笑顔になる。 他愛のない話でも三並さんの手にかかれば愉快な笑い話になった。 「よし、今日はここまで。」 先生の言葉と同時に終わりを告げるチャイムが鳴り、授業と共に俺達の話も中断された。 「じゃあまたあとでね!」 そんな事を言って席をたつ三並さん。 「あ、うん…」 「おい、陸!次美術だぞ?一緒に行こうぜー!」 「おう!今行く!」 勇樹の呼びかけにより、俺も席を立った。 「さっき三並さんと何話してたん?」 美術室へ向かう途中、勇樹に尋ねられた 「いや、別に…世間話してただけだよ」 「あんなに楽しそうに?」 「え?」 そんなに楽しそうに見えたのか…? 「はー…お前さぁ一応アイドルなんだから周りに気ぃ遣えよな」 「どういう事?」 「あんなに楽しそうに話してたらお前のファンだって悲しむし、三並さんも人気あるから男子からやっかみ貰うぞ?」 「…気をつけるよ」 そう言いながらも心では三並さんともっと楽しい話をしたいなんて考えていた。 約束もしたし。 「じゃあ2人1組でペア組んで似顔絵を描け」 美術の授業ではそう言われ、俺は勇樹とペアを組んだ。 「陸…お前のそのいけ好かない顔を俺の手でグッチャグチャに…!!」 勇樹はなにか怨念のようなものをぶつぶつ言いながら描いている。 「あはは…」 俺は苦笑いしかできなかった。 「やめなさいよ!勇樹!」 そう言われ、頭にチョップをされた勇樹 「いってーな!なんだよ…」 「わぁー陸君って絵もうまいんだね!」 「聞けよ!」
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