アフタースクール

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──ただ、やはり最初この制度を導入した時には厳しい反論や異論も多々あったそうだ。 「子供たちを機械化する気ですか」「単に教師が楽をしたいだけでは?」「無意味な上に悪影響しか及ぼさない」 しかし、生徒が入学、昇進する度に一人一人にAS専用の携帯端末を配布したり、使用に時間制限を設けたりと、様々な学校側の努力の末にアフターサークルは成立した。 かくして、『アフターサークル』は瀬倉木高校にとって必要不可欠な存在になったのだ。 Why? 疑問符が浮かぶ。 なぜそこまでして『アフターサークル』を普及させる必要があったのか。 確かに、連絡が取りやすくなった。生徒同士のコミュニケーションも、ネット上では深まった。 しかし──どうしても普及しなければいけない理由が無ければ、ASの誕生は有り得ない。 洗脳された僕らは、そんな事を考えるよしも無かった。 誰もいなくなった部屋。開いたままのパソコン。微かに映る奇妙な黒い六角形。
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