19人が本棚に入れています
本棚に追加
ごちゃごちゃと、あまり整頓されていない本棚が目に写る。全神経を脳に集中させるために、目を閉じて視界を闇で覆った。
「陽菜乃、さっきお前が喋ったことをリピートしてみてくれ」
「へっ?」
急に訳の分からないことを求められて困惑する陽菜乃。慌てふためきながらも、懸命に記憶をたどった。
「え、えっ……とぉ……お姉さん早い……」
「それの次」
「うぅんとぉ……二階なのに」
「そこだ!」
陽菜乃にサッとスマートフォンの画面を見せる。俺が指を指したのは『2f』という文字。
「デパートとかでもよく階数は"F"で表されてる。だから、2fpcは、『二階のパソコン』って意味だったんだよ!」
自信満々に、スマートフォンを指していた指を陽菜乃の顔に向ける。指を向けられた彼女は少しおののいた。
「あ……なーる」
「どうしたんだ!反応薄いぞ!俺が謎を解いたんだから喜べ!ふははははははははははははは」
こういうところは微妙に親譲りかな、と陽菜乃は呆れ顔でうなずいた。
最初のコメントを投稿しよう!