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「6j……pd43 !」
Enterキーを指で弾いた。
俺の中で、ゆっくりゆっくりと流れる時間。
『ログインしました』
「よし……!」
画面を見て、心の中でガッツポーズをする。すぐさまデスクトップ画面に表示されている『マイコンピュータ』を押して、頼りになりそうなものを片っ端からUSBメモリに詰め込んでいった。
その時、近づく足音が聞こえた。
やっべ……!
俺はパソコンを閉じた。
ガラッ!
とっさに机の影に隠れる。見つからないようにUSBメモリを抜いて、机の中に隠れこんだ。
「誰だ!分かっているんだよこっちはァ!出てこい!」
太くハリのある声。間違いない、崎本だ。
崎本は入り口を入って右回りにこちらへ来ようとしている。足音がそう伝えた。
次第に大きくなってくる柔らかな靴の音。俺はぐっと身構えた。まだ我慢、もう少し…………
「ウアァッ!」
バッと飛び出して崎本の足元をすくう。しかし崎本は屈強で、びくともしなかった。
「くっ……」
「大人しくしろそこまでだ」
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