アフターインベーション

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翌日、俺は学校に行かまいと考えていたが、結局バスに乗って学校にたどり着いた。 学校から直接電話で呼び出しがあったのだ。電話を受け取った母さんからその話を聞いたときは内心ヒヤッとしたが、どうやらアフターサークルを通じて生徒全員に呼び掛けられているらしい。 昨日、一日にたくさんのことがありすぎて心身が最高潮に疲れている。どちらかと言うと心の方が。 おぼつかない足取りで教室に入ると、崎本が既に教室にいた。目があった。ギロリとした眼力に押し負けて目をそらす。 その時、突如放送がかかった。 『生徒の皆さん、おはようございます』 しわがれた威厳のある声。いつも集会の時に司会を務めている教頭の声だ。 『本日はアフターサークルを通じて生徒全員に学校に来るよう呼び掛けました』 生徒全員に……ということは隆広にも伝えられたのだろうか。伝えられたのだろうな。伝えられ…………る、わけないか。 ダメだダメだ。もう無駄な期待をしちゃ、ダメだ。辛くなるだけだって、分かってるだろ。 『放課後より、急遽全校集会を開くこととなりました。皆さんをお呼びした理由はそこでお話ししたいと思います。それでは、各クラス朝のホームルームを始めてください』 モヤモヤと、心が疼く。実に不可解だ。全校生徒が一万人近くいる瀬倉木高校が、急に全校集会を起こすなどよっぽどのことだ。 何が語られるのだろう。その場で、一万人近くいる生徒らの前で、一体何が。 ──催し。 ふと、村瀬が口にしていた言葉が脳裏をよぎった。
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