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『無駄な足掻きを……』
今度はシラの方が冷静さを失っていくのが見えた。しめた、ここで一気に畳み掛けたい。
「嘘なんかついてませんよ。何なら僕の心を明け透けにしてみてはどうですか?」
歯ぎしりが聞こえた。
『調子に乗るなよ……』
ものすごい勢いでパソコンを操作し始めたシラ。長い前髪から、一瞬だけ血眼を覗かせた。心臓がヒヤッとした。
『殺す殺す殺す殺す殺す殺す……』
タッタッ、とエンターキーを押すような音がした。シラがこちらを睨んでくる。凶暴的な目付きに、俺は身動きが取れなくなった。
が──しばらく経った後に俺を睨むその目付きが焦燥へと変わっていった。
『なぜだ……なぜ苦しまない?』
シラが何のことを言っているかさっぱり分からない。多少耳鳴りがするくらいだが……
『木村陽二郎……完璧に人物は一致して……まさかお前……!』
シラが怯えとも取れる面を見せた。
『アフターサークルにログインしていないのか……?』
AS?なぜここでASが関わってくるんだ?
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