序章

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 地球が爆発して十日がすぎた。  爆発した原因は調査中でまだ不明だったが、おそらくバームが関係しているのだろうと思われた。たとえバームとは無関係だったとしても、そう言わずにはいられなかった。失われた一三〇億人の命が、ひとつの敵を憎まないではいられなかった。  生き残った人類――太陽系の各惑星の宙域に住むわずか三〇億人は、その敵と戦う決意をかためたのである。  バームは、正体不明の宇宙生物だった。太陽系の外側から突然現れ、航行する宇宙船を襲いはじめた。最初、その存在は到底信じられるものではなかったが、それはまぎれもなく存在していた。  気がつくと、すでに太陽系のどこにでも出没するようになっていた。太陽系連邦政府は、惑星間宇宙船をバームから護るための艦艇を多数就航させたが、積極的に撲滅する行動にはでなかった。人類が初めて出会った異星生命だったから、その研究が優先されたのだった。
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