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「呼ばれていたよ。今回はやることがあったから行かなかったけど。
でも、王宮行くと、やれ歌えや、楽器弾けや、植物の手入れしろや、なんか道化か庭師かみたいな雰囲気になるんだよね。
夜這いとかマジすごいし」
「夜這い……ですか」
ローにそう言われて、うんと頷いてけらけらと笑った。
「まあ、一度犯られそうになってからは部屋に魔法で鍵……」
「誰ですか?」
ぐいって腕を引っ張られてびっくりした。ローの目が怒りに煌いている。ぴんと立って前に伏せられた耳とむき出しの歯が怒りを伝えて来た。
「口を慎めメリドウェン、死人が出るぞ」
真剣な顔でパトリックが言う。
怒っているローに胸がきゅんとしてぎゅっと抱きついて、背中をぽんぽんと叩いた。
「自分でボコボコにしたから大丈夫」
なんかムチ持ってて、魔法で捕まえたんだけど。ムチで叩くつもりだったのかこの変態って、ムチを奪って返り討ちにしたら「ご褒美です」とか言われたのは黙っていた方がいいかな。
ローがわたしの背中に手を回して来て、そっと抱きしめて身体を揺らす。
うわ、これ気持ちいいんだけど。うっとりしてると、パトリックの声が聞こえる。
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