狼は棄てられる

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 首を傾げてアーシュが言う。  俺の頬を大粒の涙が零れ落ちて行く。  それを見ると、アーシュは楽しそうに鈴を鳴らすような声で笑った。 「バイバイ、ロー!」  アーシュが出て行くと、俺の心は粉々になった。  大好きなアーシュ。  本当に愛してた。  今は少なくなってしまった、オオカミ族の仲間。  例え男であっても、俺の伴侶はアーシュしかいないと思っていた。  アーシュが一人で寝ていたベッドに潜り込むと、アーシュの匂いがする。ショックすぎて、大声で泣くことすら出来ない。 『ロー!』  用事をいいつけられる時の声。  もう……聴けないんだ。  俺は捨てられたんだ。
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