【番外編】赤薔薇は祈りを捧げる

4/10
3345人が本棚に入れています
本棚に追加
/764ページ
なにもかいてなかった。 まっしろだったんだ。 みえないと、どうなるんだろう。 うんめいのひと、は、ぼくをすきになってくれるんだよね。 とってもすきだったって、ちちうえはないた。 すきになってくれるひとがいなかったら、さびしい。 おはなをくれるひとがいないって、さびしい、よね。 しろいページをてをのせた。ゆびがびりびりっていたくなって。 それから、そこにうごくえがでてきた。 ぼくはそれをみた。 *** ぼくはひとりでごはんをたべる。 みんなぼくがこわいから、そばにはだれも、いない。 にいさまのははうえが、ぼくをきもちわるい、ひとごろしっていって、いっしょにごはんをたべたくないっていったんだ。 でも、おとうさまがときどきいっしょに、 ごはんをたべてくるから、へいき。 それに、きょうはいいことをおもいついたんだ。 おおきなぎんいろのおさらのパンをもぐもぐとたべて、マントでおさらをかくして、じぶんのおへやへはしった。 おさらを、クローゼットのなかのぼくのよろいのうしろにそっとおいたよ。よろいとおさらは、どっちもぴかぴかで、もしみつかってもなかまに、みえるかもしれないから。
/764ページ

最初のコメントを投稿しよう!