【番外編】赤薔薇は祈りを捧げる

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ぼくのうんめいのひとはいない。 ぼくをすきになってくれるひとはいない。 ぼくにおはなをくれるひとはいない。 ぼくがしんでもないてくれるひとはいない。 ぼくがのろわれているからなの? ぼくがまじょのこどもだからなの? たくさんひとをころしたからなの? かみさまにいわれたとおりにしただけなのに。 しんぷさまはかみさまなんだよね? どうしてこんないじわるをするの? どうして、どうして。 どうして、おとうさまにおかあさまをあげたみたいに、ぼくにうんめいの、ひとをくれないの? ねこでも、いぬでもいい、ぼくをすきになってくれる、ものをくれないの? ぼくのこと、 ばけものとか のろわれてるとか まじょとか それからもっとひどい、 ぼくのわからないことばでおこるんじゃなくて、 すきとか いいことかいって、 だきしめてくれるひとがほしいんだ。 ほしい、ほしい、ほしい、ほしいだけなんだ。
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