狼は混乱する

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 その指が胸の突起を見つけて、優しく触る。身悶えする身体を押さえるようにローの身体が重なる。  ゆっくりとローの手が宙で揺れて、何をしようとしているかに気づいた。 「そ、それっ。だめ……っ」  逃げようとする身体をぎゅっと押さえられる。ローがゆっくり……ゆっくりと微笑む。欲望に乗っ取られた曇った瞳にゆらゆらと銀色の光が揺れた。  気を纏った指が胸に触れる。ざらりとした気で出来た舌が胸の突起を舐めあげた。 「──っ──ああっ!」  快楽の悲鳴が湧き上がる。容赦無く気が流れ込み、その場所を撫でて狂うような快楽を生み出す。びくびくと震える身体見て嬉しそうにローが笑った。 「……ロー……」  震える声で呼ぶと唇が戻って来て、開いた口に舌がねじこまれた。  ローの甘い唾液で口の中がいっぱいになる。全部飲み込もうとして、あふれ出て、切ない吐息が漏れる。  ローがわたしの膝を割って間に入り込んだ。立ち膝になった身体から、震え続けるわたしの身体を蹂躙するように見下ろす。  だらしなく開いた上衣をするりと脱いで床に落とした。見えたローの体の美しさに息を飲む。広めの肩幅から引き締まった腰に無駄な贅肉は一切ない。
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