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数週間が過ぎ、曜日感覚も薄れる頃、突然、夜中に電話が鳴った。
「夜分にすみません・・・」
消え入りそうな小さな声で申し訳なさそうな様子に笑う。
「構わないよ。どうしたの?」
電話の相手は遠藤だった。
既に吹っ切れていたつもりだったが、
どこかざわめく気持ちに由紀は自分でも驚いた。
言葉を選んでいるのか黙ったままの遠藤の後ろで奇声が上がる。
「えんどぉさーん!!早クッ!早く、由紀さん呼んでってばっ!!!」
「・・・・・・・・・・・・ハハハッ!!」
状況を察知して大笑いする由紀に遠藤が申し訳なさそうに謝った。
「本当に、ほんとーに、すみません・・・。
山田の奴、完璧に酔っ払っていて・・・
柏原さんに会いたいといって聞かないンデス・・・
ちょっと代わるんで、自宅に帰るように言ってもらえませんか?」
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