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遠藤は支払いを済ませ、
酔っ払って自分を支えられなくなったメグを引き摺り、公園へ向かう。
由紀を待つ間、自分の肩で大口を開けて眠っているメグに呆れ果てる。
『・・・これで俺の事が好きとか言ってんだから、ナメてやがるよな・・・』
メグなりに考えて、
辞めさせられた会社の社員である自分から連絡を取って
由紀に打撃を与えまいと耐えていたようだった。
だが、酒の力の前では、そんなやせ我慢はたやすく決壊したようだ。
そもそも、中ジョッキ一杯で真っ赤になるのだから
酒など呑まなければいいのに、と遠藤は思う。
焼酎を一瓶空けるくらい呑まなければ酔わない遠藤としては
安上がりで羨ましい限りだ。
まあ、でも、と遠藤は含み笑いする。
由紀、由紀と叫ぶ酔っ払いを遠藤が引き受けたのは、もちろん
由紀に電話するチャンスだと思ったからだ。
よって、どっちもどっちだ。
しかも、声を聞ければと思っただけなのに、由紀に会える。
気持ち良さそうに眠るメグの鼻をチョンッと突っつく。
「よくやった。褒めてやるよ。」
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