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       由紀は入り口でキョロキョロしてから、こちらに気がつくと  軽く手を上げて、駆け寄る。  遠藤もそれに手を上げて応じた。  由紀は子どもを見つめるような優しい笑顔を見せる。 「まったく、困った子だね・・・」  遠藤はメグを見つめる時の由紀の表情が好きだった。  慈愛に満ちて、女性らしい、優しい表情。  それは遠藤が自分には決して向けられない寵愛を受けるメグに  嫉妬して、メグにイジワルしたくなるほどだ。  今はそんな自分に呆れるしかない。  遠藤はちょっとイジワルを言う。 「柏原さんが甘やかすからですよ。」  由紀はちょっと笑った。 「ごめん、ごめん。・・・可愛かったもんだから・・・。」  遠藤はクスッと笑った。 「山田を躊躇いなく、可愛いなんていえるのは、貴方くらいでしょうね。」
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