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ポンッと頭に手を置かれ、驚いて、そのまま振り返る。
酷い顔に遠藤が苦笑した。
「お前、すげー顔してんぞ・・・」
カァッと顔が赤くなって、両手で必死に顔を拭く。
遠藤は立ち去らず、ベンチの一番端に座った。
ポンッと投げてよこしたのは、ハンドタオル。
メグのハンカチは既にグチャグチャになり、その役割を果たせなくなっていたので、メグは遠藤の厚意を受け取った。
「ありがとうございます・・・」
涙を拭い、なんとか顔を整えていると、遠藤が呟いた。
「・・・・・・・・・・待ってろ。」
えっ?、と聞き返すと、遠藤はメグを見て笑った。
「・・・由紀さんは必ず取り返す。
だから、待ってろ。」
うっ・・・、と顔を歪め、それでも必死に何度も頷いて
ハイ・・・、と答えると結局涙が零れた。
でも、必死に笑顔を見せる。
遠藤は少し呆れた顔をしながらもメグが落ち着くまでただ傍にいてくれた。
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