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       由紀の解雇辞令が回り、システム部は騒然とした。  今日から一週間、由紀はリリースに向けて部長会議に出席していて  事務席には来ていない。  どういうことですかっ!、と遠藤に詰め寄る。  遠藤は苛立ちと焦燥を浮かべ、電話を持ち上げる。 「ダマッテロッ!!  ・・・・・・・・・・・・俺がなんとかするっ!!」  遠藤たちはそれぞれが古巣の管理職に掛け合い、  狸部長の独断専行の人事を阻止しようと動いた。  お前は邪魔なだけ、とメグは何もさせてもらえなかったが  すぐ感情的になる自分がこういう交渉ごとに向いていないのは分かった。  だから、祈る気持ちで彼らを待つしか出来なかった。
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