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由紀は遠藤への小言を頭に書き込み、
怒りに我を失っているもう1人の子羊と向かい合った。
「メグ、いい?
確かに彼女は自分の手を使ってはいないけど
インクが切れれば、誰かを使い、
事務用品が切れれば、発注している。」
由紀は反論しようとしたメグを片手で制止した。
「重いものは全て、総務の男性社員を使って運ばせてるとしても、ね。」
メグは一気に不貞腐れた顔をする。
そんなメグに少し笑って、由紀は続けた。
「彼女は女ということを武器に仕事をこなしている。
私は何があっても自分の仕事を終えない人はダメだと思う。
だけど、同時にそれがどんな手でも望まれたとおり完遂できるなら
それでいいと思う。」
そんな、とメグは傷ついた。
・・・由紀なら、分かってくれると思っていた。
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