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進捗がギリギリのメグは昼休憩も返上で働き続けていた。
そんなメグに高田は寄ってきた。
「メグちゃん。これね、今度JRに入ったお店のクッキーなの。
名古屋第一号店のやつでね、ココナッツが入っていておいしいの。
お1つ、どうぞ。」
すみませんが、と断って、メグは高田を見ることもせず、仕事を続ける。
「ココナッツ苦手なので、結構です。」
そう・・・、と高田がシュンッとする。
それを早瀬が怒ってきた。
「おまえなぁ、せっかく愛ちゃんが並んで買って来てくれたのに
そういう言い方はねぇだろうがっ!」
誰も並んで買ってきてなんて頼んでない。
むしろ、そんな暇があるなら少しでも役に立つように勉強してくれ、とさえ思う。
だが、それを必死に飲み込む。
どんなに正しくても言っていいことと悪いことがある、とも由紀はメグに言った。
そして、これが言っていけないことだ、とメグにも分かっていた。
黙っているメグが気に入らない男共は冷ややかな視線を送る。
こんな風にアウェイになることには慣れていたつもりだったが
気を許した彼らにやられるのは、やっぱり、キツイ。
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