4-メグの秘め事

１

　メグがギュッと拳を握り締めた時、
　同じく昼休みを早く切り上げて仕事をしていた遠藤が助け舟を投げた。
「並んだのは、高田さんの意思であって、そいつの願いじゃない。
　下らないこと言って、人の仕事の邪魔をすんな。

　というか、お前ら、午前中までの資料どうした？
　まだ、届いてねぇぞ。」

　遠藤の低い声で、彼らは遠藤の地雷を踏んだことを察し、
　すかさず端末を立ち上げた。

　遠藤は仕事に誰より厳しい。
　もちろん、高田を甘やかすなんてことはしない。

　高田を構うことをやめさせようとはしないが、
　高田を構ったことで遅延した、などと言ういい訳は通用しない。

　慌てて各自が仕事を始めると、高田も仕方なく机に座った。

　一番遅延しているのは高田なのだが
　後５分ある休憩を返上する気もサラサラない彼女は
　爪をいじりながら、クッキーを頬張っていた。