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     その日は久しぶりにさっさと仕事を切り上げて、由紀の下へ行く。  本当は由紀にグチを言う気はないのに、  いつも酒が回ってくると零してしまう。  由紀はそれを何時だって頷いて聞いてくれる。  今日もまた、結局、怒りを爆発させた。 「あの女、私より年上の癖して、クネクネと男に媚売ってっ!!」  由紀は少し笑いながら、話を聞いていた。  システム部は平均年齢からして若く、独身がほとんど。  紅一点だったメグは見た目はいいが、手懐けられるような女じゃない。  となれば、女性らしい、可愛げのある女に  男どもが鼻の下を伸ばすのは、仕方がないかも、と由紀は思っていた。  だが、そんなことを言えば、火に油を注ぐと知っているので  鬱憤をとにかく吐き出させる。  
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