沈殿

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オフィスについて、企画室に入る。 今日も一番乗り。 ラジオをつけて、デスクにカフェラテを置いた。 受付で受け取ってきた繊研新聞を開く。 そして、今日が始まる。 こうして企画室にいると、まるで行き先のわからない列車のようで、不安だらけだ。 植原は今日は営業会議が入っている様子で、午後イチにアポを入れた。 「吉住さん、知ってます?」 ――南青山のランチ。 私は直美と二人で近くのイタリアンレストランに来ていた 直美のその言葉に、ドキッとした ――まさか、この子、もう―― 「何が?」 とりあえず様子を伺いつつ、うかつに口を滑らせないようにきをつける。
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