沈殿

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蓮見の後について店内に入る オリエンタルな雰囲気の、創作ダイニング。 照明がやわらかなオレンジ色で、あまり明るくない店内にホッとする 席について、メニューを開く 本当は、何を話せばいいのかわからなくて、手持ちぶさただからメニューを見たものの、緊張しているのか全く何も頭に入らない 「シャンパンでも頼みますか?」 メニューから顔をあげると、ニコニコと微笑む蓮見の顔が見えて面喰らった 「あ、じゃあ」 駄目だ。 そんなにお酒に強くはないけれど、酔いでもしないとこれ以上堪えれない。 「良くくるの?ここ」 「はい、知り合いの店なんで」 「――へぇ」 って、知り合い? 「料理もオススメがあるので、僕が選んでもいいですか?」 な、なんて――嫌味なヤツ。 スマートすぎて、嫌だこの子。 「あ、何かおきに召さないでした?」 「え?」 「眉間にシワ」 ――っ!!
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