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――理不尽?
「もー、いい。今日は蓮見の顔、見たくない」
プイ、と横を向いたら、ニヤニヤとした直美がこっちを見ていた。
――しまった。
「そうですか。かしこまりました」
決めなきゃいけない、春夏の原料。
もう、さっさと発注しなきゃ海外生産は間に合わない。
ムズムズとする、背中。
そもそも、私は仕事以外は向いてないのだから。
蓮見が部屋を出たのを見計らって、商社に電話をかけた。
「ごめんね、中山さん。留守番していてくれる?
直美、今から出掛けるわよ」
「えっ、何処にですか!?
蓮見君は!?」
そう焦る直美の言葉に、カチンと何かの音がした
「蓮見はいい」
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