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少年は、横たわる少女に、魅入られた。
胎児のように、草むらの上に眠る彼女。
見なれぬ風変わりな服装。
そして、その独特な髪の色。
「きんいろのかみ?」
少年は、呻くように、つぶやいた。
金色の髪。
当時では、かなり珍らしい部類に属する色。
そこは、日本の片田舎。
時は、1967年。
夕刻。
逢魔が時。
鬼や、妖怪、物の怪が、もし存在するなら、活動を開始しても、おかしく無い時刻。
辺りは、微妙に色合いを、変化させていた。
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