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キリト様と出会って一週間となった。
キリト様はバルコニーで待っていると、静かに舞い降りてくる。
いつも気付かないので少し悔しい。
今日こそ気付いてみせる。
だが。
「…?」
時間に厳しいという彼は決まって10時にここにきた。
来ない。
じっとしていられなくなり、部屋の中を歩き回る。
何かあったのだろうか。
悪い予感がよぎる。
他の人間に吸血鬼だということがバレる、という最悪のことなんか、起こるわけない。
起こるわけ…
「…どうしたのかしら、私」
そもそも必ず会うという約束はしていない。
私が一方的にお願いをしていただけだ。
来なくても可笑しくない。
だからこんなに焦ることないのだ。
そう、自分に刷り込ませる。
キリト様は気まぐれだから、気分に乗らなかったんだ。
きっとそうに決まってる。
それからしばらくキリト様と会うことがなかった。
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