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帰ってきた捜索隊は中に入るやいなやヘロヘロと座り込んだ。
「おつかれさーん、って、なんでそんなに疲れてんだ?」
近かったろうに、というユースケに対して、姫はため息をついた。
「ハァ…。体力というよりも、精神的な疲労が蓄積したんだとだけ言っておくわ……。
で、はい、桔梗。」
ヘロヘロと姫が桔梗を差し出す。
「ん…さんきゅー。
じゃあ今すぐ薬作ってやっから、ミントもサンダーソニアをくれ。」
そう言われてやっとミントは顔を上げた。
どうやらこっちの方が精神的ダメージ(?)は大きいらしい。
今にも泣き出しそうな顔をしている。
これです……、と裾からサンダーソニアの花を取り出した。
「おお、大丈夫か……?
紅茶あるから、とりあえずそれ飲んで休憩しとけ。
……ってわけで王子、紅茶煎れてやって。」
またそんなめんどくさがって……、って、ユースケは薬を作らなきゃいけないのか。
納得して僕は紅茶を煎れる準備をし始めた。
「あ、もちろんおれの分もよろしくー。」
と、ユースケが桔梗の葉をすり潰しながら言った。
最初から4人分で準備していたから僕は何も言わずに(言えずに)微笑んだ。
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