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紅茶を煎れ終わるとまず疲労困憊の女の子達に配り、
何やらドロドロしたものを掻き混ぜているユースケの隣にそっと置いておいた。
ユースケの隣に行ったときのドロドロの臭いにちょっと不安になった。
そして診療所(ユースケの周りを除く)に行き渡ったカモミールの香りに、姫もミントも元気を取り戻してきたみたいだ。
「紅茶おいしい……。
ありがとう、王子。」
「うう……染み渡ります……。」
……ミントはまだ疲れてそうだ。
とりあえず一息ついた僕たちは、ぽつりぽつりと話を始めた。
もちろん僕は話せなかったから、ほとんど二人の会話を聞いているだけだったけど。
「こんなに遅くなったの、わたしのせいですよね……。
すみません……。」
「いやいや、ミントちゃんのランタンがなかったら桔梗見つからなかったんだから!
すっごく感謝してる。」
「ほ、本当ですか!?」
「ほんっっとうに。」
「よかったあ。こんなわたしでも役に立てたんですね……。」
ミントは両手でティーカップを持ち、紅茶を飲んだ。少し微笑みながら。
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