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「でも……ちゃんと………ないの?」
「クワーー!!」
声が聞こえる……。
あれ?目の前が真っ暗だ……。
……って、ああなんだ、目をつぶっているだけか。
僕がゆっくりと目を開くと、目の前に映ったのは真っ白な天井だった。
「だからー、めんどくさいからヤダって。」
「めんどくさいって、あなたそれでも医者!?」
「クワ、クワーー!!」
そうだ……、僕倒れちゃったんだっけ……。
じゃあここは病院かなあ。
僕が目を少し横にやると、見慣れたショートカットのブロンドの髪が目に入った。
「おれは元々植物専門だって言ってんだろー?」
「でも小人だって診てるんでしょ?」
「そりゃ、植物に比べれば小人や人間なんて楽勝楽勝ー。『免疫』ってのがあるからなー。」
「クワ?……。」タッタッガチャ、バタン。
あれ、クワクワ言ってたのが出ていったなあ。
それに、姫と話しているのは一体誰だろう?
まだ重い体を起こし、僕は周りの様子を見た。
真っ白な天井に、真っ白な壁。
壁は緩やかにカーブして、綺麗な円になっている。
僕の寝ているベッドの反対側には小さな木製の机があり、そこにひじ掛けている小人が姫と話しているようだ。
白髪が混じった短い茶髪に、紫の目。
その上には小さなメガネを掛けていて、黄緑のパジャマの上に白衣を着ている。
見た目若そうだけど、あれは若白髪なのかな?
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