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ユースケに言われて、ミントが事情を説明し出した。
「うう…、今朝お花に水をあげようとジョウロで水を運んでいたら、転んでしまったんです…。
そうしたら水が全部流れちゃって……。」
「それで?」
「お花は大丈夫だったんですけど、転んだ場所をよく見たら………何もなかったんです。」
「何もなかったのか。」
「何もです。じゃあなんで転んだんだって考えたら……ただ単に自分のドジだって気づいたんです……。」
「いつものこったな。」
「うう…、何もないところでさえ転んでしまうわたしなんて、きっと何してもダメ……。
で、ああ、わたしもうダメ……って呟いたら、キューちゃんがここに連れて来ました……。」
言えば言うほどミントの表情は暗くなっていく。
「こりゃキューにも問題がありそうだなー。
とりあえずミント、ケガは?」
「ひ、ひじをちょっと……。」
「んー、しょーがねーなー、見せてみ。」
と、ユースケはミントの擦りむいたひじを治し始めた。
あれほど面倒くさがりのユースケが仕事をするとは……。
姫も驚いているようだ。
「さっきはあれほど面倒くさがってたのに……。」
あ、僕のセリフ言ってくれた。
ユースケがミントのひじを消毒しながら答える。
「王子の病気はほっといても治るし。
それに、植物のケガはすぐに治してやらねーと後々めんどくさいんだよ。
あ、しみるぞー。」
ひゃっとミントが小さく叫ぶ。
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