お嬢様、試験でございます

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戸惑いながらも用意していただいた紅茶セットを使い、私は紅茶をいれます まぁ温度と時間……それに注ぎ方ですかね 特別なことはしていません、ただ茶葉の状態から色々とベストなタイミングを見分けるのが上手いだけです ボルト家では必須技術ですが、それぞれで好みがありますからねぇ… トト「ほら」 囮「いただきまーす」 ふぅ…まぁまぁですね 普段から自分で作った紅茶を飲んでますから、一般に出回っている物ではどうも物足りません ボルト家には何代か前の使用人が特別に許可をいただいて、紅茶を作るための施設を作ってありますからね 最近私の私物と化している温室に数種のお茶の木が植えてありますから………もしかしたら世界樹のおかげで味が良くなっているかもしれませんが 囮「………え?なにこれ?ここまで変わるものなの?」 トト「当たり前だろ、俺をなめるな……紅茶狂いの人間がいれた紅茶だろうと、常に究極を目指す使用人の紅茶には敵わない、まぁ…ボルト家の使用人だからこそ出来るものだがな」 囮「凄すぎじゃない?」 昔、飢饉が続いた時代にボルト家が民の為に財を投資し、食事は平民よりも質素なものを使うようになったとき、使用人達がそれでも美味しいものをと努力しはじめたのがきっかけだときいています それが続いているのですから、ボルト家と使用人の関係はとても素晴らしいものなのです
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