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会場に行けば、特級ランクを受けるだろう方々が三十名ほどいらっしゃいました
皆様三十から四十代の方々ですから、私を見て怪訝な顔をなさっています
マイク「ではトト、頑張って下さい……囮様は私が追いきれなかった場合の解説をお願いします」
囮「了解!」
トト「では、また後程」
マイクと囮様が解説席に向かいましたので、そろそろ始まることでしょう
爽やかな笑顔のまま、待機の姿勢を維持して周りを警戒します
『……では、これより特級ランクの試験を始める』
放送がかかりましたね
皆様姿勢を正し、真剣な表情になっております
会場は広い体育館のような場所で、舞台の上には解説席と審査員席が設けられています
至るところにカメラが設置されていて、受験者の些細な動きすら見逃さないのでしょう
『第一の試験は忍耐力、これからトレイとワインボトル、ワイングラスをそれぞれに配布する、ボトルとグラスをトレイに乗せ、片手でトレイを持ったまま待機すること』
放送と同時に、何故かマイクが瞬時に全員へ道具を渡していました
トレイにボトルとグラスを置き、グラスにはワインを注ぎ入れて準備完了です
右手にトレイを置き、左手は腹部の少し下あたりに添えてポージングも完了です
きっと何人か耐えられなくなるまでこの姿を維持し続けるのでしょう
しかし、この程度なら飲まず食わずでも三日は完璧に不動の状態で過ごせますね
………既に腕が下がってきている方がいらっしゃいますが、本当にあなた方SSSランクの執事なのですか?
情けない
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