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「とりあえず…どうするの?」
「え?盗賊ギルドに行くだろ」
「学園はじまらないんですねわかります」
譲司達の前には苦難しかなかった。
「この苦難を乗り越えて私は完全になれるのです」
まあ、譲司は変わらず犯罪をおかし続けるつもりのようだ。
しかし、譲司にはもう一つ目的があった。
「(あの声の主を探しだす…あいつは…何かいけ好かない)」
あの声
そうあの声には聞き覚えがある。
考えるほどあの声の主に苛立ちを覚える。
一体、誰なんだ?
「さあ!海斗行くぜ!!
ハッハッハッ!!まずは王国騎士から剥ぎ取りだ!!」
「やったー!!剥ぎ取りだぁー!!」
ぽつりぽつりと雨が降っていた。
虚しい
どれだけ長い間この雨は降り注ぐのだろうか?
満たされない。
周りにいる下僕達じゃ物足りない。
絶対的忠誠を誓ったあの方がいなくなったあの日から
満たされぬ日々を過ごしてきた。
「……あぁ、下僕はやく祝いの準備を」
「し、しかし…プレジデンテ…もはやこの楽園に動け――」
「お黙り!!」
うるさい
なんとうるさい下僕だ
「――カハッ…」
「ひぃ!?」
何故そんな目で見る?
彼ならそんな目で見ない。
「さあ…はやく祝いの準備を」
「か、かしこまりました…た、直ちに…」
「そこのゴミも掃除しなさい
ついでに家族もね」
もう、手が届くところに彼がいる。
何百、何千と長い月日が流れた。
さあ!彼のために綺麗なお花を!
彼のために最高級品の綺麗な衣服を!
彼のために最高の環境の衣食住すべてを!!
もう一度楽園を!!
「あぁ……待ち遠しい……」
目を閉じれば目の前には
私だけのために働く彼の姿。
私だけのために優しく囁く彼の声。
そう、私だけのために――
貴方の全ての理想を叶えてあげる
だから、尽くしなさい。
この私に…
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