偽りの楽園

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ゆめを見ているようだ。 目の前には沢山の高級そうな料理がこれでもかと並べられている。 高級食材が使われた料理を目の前にしているのに何故か俺は食べる気がしない。 「食べないの?」 ハッと横を見る。 すぐ隣に…誰かいる。 ただ、ぼやけていて認識できない。 「ここは?」 「………」 相手は答えない。 周りを見ると…執事だろうか綺麗なスーツを着た男達がこちらをジッと見ていた。 「さあ…食べて」 答えは返ってこず。 ただ、同じことを呟いた。 でも、絶対にこの料理には手をつけてはいけない気がする。 「食べなさい!!」 相手は俺に怒鳴り付けてきたが絶対に口に入れる気はしない。 すぅーと視界から景色が消えていく。 「待――」 相手が俺に手を伸ばし掴もうとする ただ、その手は一歩手前で届かず俺はその姿を最後にその場から消えた。 「――ん?」 目を覚ますといつもいる部屋だ。 やはり、あの夢には何かが―― 「…そうか!! 奴がハメた黒幕!!」 そうだ!そうに違いない!! 奴がきっと俺を陥れようと!! 今回の任務が終わったら早速…奴を八つ裂きにしなくてはなるまい! 譲司はかなり身勝手な理由で責任を夢に出てきた誰かに押し付ける。 これが救いようもないクズですよ皆様。 「よーし!早速行くか!!」 俺は大量の荷物を背負い部屋を飛び出す。 待ち合わせの広間には既にシンと海斗がいた。 「はやっ!?」 流石に早すぎる…時間にまだ1時間は余裕があるぞ。 「バナナはおやつに入らないのか!? え?スイカはおやつじゃないの?」 「旅行だぁぁ!!休暇だぁぁ!!」 何となく状況を察した譲司だった。 とりあえず、他人のふりをしたいが仕方なくこのバカ達に挨拶する。 「よう」 「遅いぞ…」 シンは実に迷惑そうな表情を浮かべる。 「いやいや…あんたらが早すぎなんだよ!!」 久しぶりに譲司がツッコミ…… 新しい惹かれるな。
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