偽りの楽園

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「とりあえず迷子にはならないでくださいね」 「うっ……わかった」 地図すらろくに読めない脳筋が二人いる今回のパーティに不安が残る。 シンが唯一の良心だが「面白そう」の一言でバカなことをしでかさないか不安である。 「どうするお前ら 今から行くか?」 譲司がそういうと海斗とシンは頷く。 「さっさと終わらせよう」 「わかった エステルさんご飯よろしく」 「えぇ早く帰ってきてくださいね」 気楽な任務だと思った。 しかし、まさかあんなことになるなんて まだ、誰も予想すらしなかった。 多分 シンのあとに続き数分 シンは方位磁針を片手に地図を見ながら進む。 「お前……脳筋連盟から除名な」 「そんな連盟に加入した覚えはねぇw」 加入手続き段階で不手際が多発しそうな連盟である。 ついでに盗賊ギルド員の大半が脳筋連盟に加入している。 「譲司~!!助けて~!!」 「なん――ブフッ!?」 海斗は譲司に飛びつく。 どうやら巨大な蜘蛛モンスターに追われていたようだ。 「なんだただの蜘蛛じゃないか 無害だから放っておけ」 「蜘蛛なのに無害なのかよ……」 どうやら肉食ではないらしい。 「蜘蛛だ!!譲司殺っちゃえ!!」 「お前勇者だろw」 こんな勇者が頼りない小説もここぐらいのものである。 巨大な蜘蛛モンスは海斗の反応が楽しいのか後ろから海斗を突っついたり糸を巻き付けたりしている。 案外可愛い奴だ。 キモいのにはかわりないが……
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