言葉の代わりに

3/6
前へ
/7ページ
次へ
図書室の閉館時間を迎え、利用していた生徒は次々に図書室を後にした。 そして今、図書室にいるのは私と彼だけとなった。 私は今日返却された本を本棚に戻す仕事に取り掛かろうとした。 「今日の分はこれ?」 「はい、そうです」 「それじゃあ自分はこっちをやるから」 そう言うと、彼は本をカートに乗せて本棚へと向かった。 私も自分の分の本をカートに乗せて片付けに向かった。 彼はいつもこうして仕事の手伝いをしてくれる。 それに関してはとても感謝している。 でも嬉しい反面、素直に感謝できない自分もいる。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加