言葉の代わりに

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_____________ 「ありがとうございました。おかげで早く片付けが終わりました」 私は頭を下げて彼にお礼をした。 「いいよ、そんな畏まらなくて。自分は好きでやっているんだし。それに……」 そう言うと、彼は持っていた二冊の本を指差した。 「こうして返却された本を一番に借りられるしね」 「……本当に本がお好きなんですね。 あっ! 貸し出しの処理はやりますので大丈夫ですよ」 「あ、そう? ありがとね」 私は笑顔の彼から本を受け取り受付カウンターへと早足で向かった。 今の私の顔……きっと酷いだろうな。
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