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「ありがとうございました。おかげで早く片付けが終わりました」
私は頭を下げて彼にお礼をした。
「いいよ、そんな畏まらなくて。自分は好きでやっているんだし。それに……」
そう言うと、彼は持っていた二冊の本を指差した。
「こうして返却された本を一番に借りられるしね」
「……本当に本がお好きなんですね。
あっ! 貸し出しの処理はやりますので大丈夫ですよ」
「あ、そう? ありがとね」
私は笑顔の彼から本を受け取り受付カウンターへと早足で向かった。
今の私の顔……きっと酷いだろうな。
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