怪しい二人

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今日の佐山は面白いというか、中身は俺だからな。 「そ、そうー?ありがとー」 「うん、やっぱなんか面白いっていうか、俺の知ってるいつもの佐山さんじゃないみたい」 まずい、そろそろおかしいということに気づき始めてやがる。 「う、うーん、ちょっとイメチェンしたからかなー?」 もうここまでくるとでたらめだ。 「イメチェン?」 「あはは、冗談冗談、忘れていいよー」 もうなんかどうでもよくなってきた。 「それより、さっきから正幸、静かじゃないか?」 動揺して黙り込んでしまった俺の姿をした佐山は、そう言われると、焦ったように俺の方を見てきた。 「ぐ、具合悪いとかじゃない? ね、正幸くん?」 「お、おう、そうだともよ」
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