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「隣のクラスに最近転入してきた桐ケ谷 達也君。都会から来たからという理由で皆から壁をつくられなかなか仲良くできず、今の今まで一人ボッチの桐ケ谷 達也君。」
と、急に俺の事について語り始めるので足を止める。
というか、この女……………
言わせておけばつらつらと人が気にしてることを平気で言ってくる。
一言ガツンと言ってやろうと思って、俺は少女に向きなおる。
「あのなぁ!俺はな!」
「だからといって自分からは何にもアクションを起こさないチキンな達也君。都会から来たからとかでドヤ顔してる達也君」
「あぁ、そうだ!ドヤ顔はしてないがその達也だ!なんか文句あるのかよ?」
「おそらくクラスの誰かから私の噂を聞き付けて私のもとへと来ればボッチから脱出できるかもと思い、幼い時に仲が良かった私を頼りにわざわざここまで来た達也君」
「あぁ!!そう……………………だ………よ?」
うん?この女は今なんと言いましたか?
いや、判ってはいた。だって楓とは幼なじみみたいなモノなのだから。
外見が年相応の美しさを身に纏い、昔の感じなど微塵も感じさせない姿になっていても、不思議と判るのだ。
なんとなくで判ってはいた。だから最初の一声は何の違和感もなく声をかけれたのだ。
むしろ、だからこそ認めたくはなかった。
この目の前に立つ少女が俺の幼なじみ、柴咲 楓と同一人物だとは………
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