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「それ、好きだったよなカズ?」
「そうだったかな……?」
「中学の時、いつも学校の帰りに買ってただろ?美味い美味いって言いながらさ」
「……確かに。いつも飲んでたね」
このオレンジジュースは、とても美味しかった。
しかし、今は味が落ちているような気がする。
飲み口に付いている液体が、少し黒ずんで見えた。
「友達……できそうか?」
新一の声を聞き顔を上げた僕は、新一を見る。
机に腰掛けた新一は、両手の中で缶を回しながら僕を見ている。
友人達といる時のような瞳ではなく、穏やかで優しそうな瞳だった。
僕は、橙色の液体を飲むフリをして目をそらす。
「……わかんないよ、そんなの」
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