第1話

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「楽しかった楽しかった!久しぶりに、カズと遊んだわ!!」 新一は、勢いよくベンチに座る。 「って言っても、また僕にホッケー負けたけどね」 「なっ!それは、関係ないだろ!」 「他のゲームでも新一弱かったなぁー。張り合いがなかったよ」 「それくらいにしてくれ。泣きたくなる」 大袈裟に俯いた新一の頭に僕は、オレンジジュースを置いた。 「ありがとう」 それを受け取って飲み始めた新一の隣に座る。 僕も、それを飲み始めた。 今度は、歯切れのいい音だった。 「なぁカズ」 「何?」 「怖かったか?」 質問の意味が分からなくて新一の方を向くと、新一は、僕の顔を見ずに前を向いていた。 前を向いて、何処か一点を見ているようだった。 「お前は、俺が怖いか?」 新一は、前を向いたままジュースを飲む。 「……いいや、怖くない」 僕も前を向いて新一と同じように飲んだ。 人が少なくなった公園は、夕日の柔らかい光に照らされて鮮やかな朱色に染まる。
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